海外の論文から読み解く!発展途上国と物価高の関係とは?
2021年1月31日
今日の注目
今日は多くの国々がかかえる問題、物価高についてです!
3分で読める本記事の構成は以下のとおりです。
今までの主流な考え
発展途上国における物価高はおもに、紙幣増刷、税制の欠陥、コストの上昇の3つの経済的な理由により引き起こされる。
最近の考え
政治経済の視点から、安定した政治体制の欠如により物価高は引き起こされる。
安定した政治体制が整っていないと、
政権争いによる政治内での足の引っ張り合いにくわえ、
投票を得るために市民にとって短期的に不都合な政策は打ちにくい
という多くの国の政治にみられるジレンマが顕著にでるんですね。
非効率な税制が物価高を引き起こしていくなかで、国政内の反対勢力にとっては主導政権がうまくいかないことは都合がよいわけですが、
政党による方針がはっきり分かれている民主政治をしている国は、その政党を応援している支持者が政党間で流動することがあまりないため、不安定な政治体制にある国よりも物価高をまねくような財政政策に依存する確率が低いんです。
国民の意見を取り入れつつ、反対勢力とのあいだで試行錯誤していくことで、より良い国をつくっていくのが民主政治の本質ですが、
国民が政党の方針などに注目せず、国民の人気を得ることが目的の政策案だけで投票してしまうと、結果的に国の政治はどんどん悪い方向へ行き、国民は不満をいだき続けることになるかもしれません。
参考
The Political Economy of Inflation and Stabilization in Developing Countries
by Sebastian Edwards University of California, Los Angeles, National Bureau of Economic Research, and Institute for Policy Reform