2021年5月24日
今日の注目
今日はトイレの仕組みってどうなっているの?についてです!
人間が生きていくうえで欠かせないトイレ。これは栄えている国であろうと紛争地であろうと関係ありません。
とくに貧困状況にある国や仮設の難民キャンプでは、トイレの設備が整っていないことも多く、病原菌の感染につながったり、思春期の女の子なんかはプライバシーが守られていないトイレを敬遠しがちなこともあり、それが原因で体調を壊したり、人目の少ない場所に行って危険な目にあうこともあります。
それだけ大事なトイレの仕組みを3分で読める本記事の構成は以下の通りです。
洋式トイレの仕組み
便座のフタを開けると基本的に水たまりがあります。これは臭いが下水管から湧き上がってくるのを防いだり、便器内に汚れが付着するのを防いだりする役割があるんですね。
便器内に水たまりをつくるために、奥にある排水路は水が落ちていかないように入り口が上り坂に作られているのです。この上り坂を上るだけの水の勢いが必要になるので、水に溶けないものを流したりすると詰まってしまうわけです。
水量の調節はタンクが行います。
タンク内には浮き球があり、タンクの水が少なくなると浮き玉も下がり、給水が始まり、水位の上昇と同時に浮き玉も上がり、バルブが閉まることで給水が止まります。
このバルブは水を流すときのレバーと連結しているので、レバーを引いてバルブが開くとタンクから水が流れていきます。
おおもとの水はタンクの側面から壁や床にのびている給水管から来ていて、その間にある止水栓によって水量をコントロールすることができます。
発展した洋式トイレ
日本ではよく遭遇するウォシュレットは、トイレの中にコンセントを埋め込んだり、洗浄用の水をタンクとは別に運ぶための分岐路を作ることで機能しているんですね。
また、タンクのないトイレもあり、タンクに水をためずに水道管と直結させることで水を運用しています。タンクから水を運用していないのでタンク内に水がたまるのを待つ必要がなく、連続で水を流すことができるんです。
でもタンクの場合は一定量の水を一気に流すことで水圧を作っているので、水道管の水圧によってはタンクのないトイレを設置できない場合があります。
公共施設でよく使われているトイレはタンクのないトイレを大きめの給水管につないで、水圧を保っているんですね。
この水圧問題を解消するために低水圧対応ブースターというものが内蔵されているタンクレストイレも開発されています。電力を使って水圧の調整を行う方法に加え、水が流れていない時に生じている水圧をエネルギーとして蓄積して水圧を調整する方法が使われているんですね。
和式トイレ
細めの排水路がくの字になっている洋式トイレとは違い、和式トイレは太めの排水路が水平に折りたたまれているので、つまりにくいという利点があります。
でもシンプルな構造なだけに、節水対策をする商品開発がしにくかったり、和式トイレは床に埋め込んでしまうので、修理がしにくいんですね。
仮設トイレ
イベント会場や避難所に設置されている仮設トイレにも種類があります。
日本で主流の簡易水洗トイレはペダルを踏むことで、水タンクから水を汲み上げて水を流します。タンクや水道管の水圧を生む役割を手動でやっているんですね。
水道管をつなぐ工事が必要無いため、どこでも設置できるのですが、排泄物の汲み取りとタンクへの給水が必要になります。
水道と下水を利用すると、より衛生的な本水洗トイレと呼ばれる仮設トイレを設置できるのですが、下水道環境や排水工事が必要になります。
”ボットン便所”と呼ばれる汲み取り式トイレは、排泄物をタンクに落とすだけで水を利用しません。そのため、工事も必要なく安価にどこでも設置できるのですが、臭いや害虫が発生しやすいという問題があります。
この問題を解決するためにバイオトイレが開発されていて、原木をトイレの中に仕込み、熱を加えることで原木内の微生物が活動を始めて排泄物を分解していきます。
水や頻繁な排泄物の汲み取りを必要としないで臭いや害虫を予防できるのですが、熱を生むための電源や原木のメンテナンスが必要なためにコストが高めなうえ、微生物の活動周期に頼っているため一日に使用できる限度があるんですね。
乗り物のトイレ
新幹線など乗り物のトイレでは、タンクを真空にして外部よりも気圧を下げ、空気の気圧差を利用して汚物をタンクまで吸い込みます。そうすることで水を最小限に抑えて汚物を流すことができるんですね。
停電などで真空状態を作れない場合があることから、少量の水を噴射して重力と水圧で汚物をタンクに落とし込むトイレも開発されています。
参考