Ko Tanaka 国連事務総長を目指す男ブログ

紛争解決のための勉強メモ

3分解説!なぜ日本はコロナワクチンの運用が遅いの?

2021年4月21日

今日の注目

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今日はなぜ日本はコロナワクチンの運用が遅いの?についてです!

3分で読める本記事の構成は以下の通りです。

日本のコロナワクチンの運用が遅い理由1

 

まずは、日本人の国民性です。ワクチンなど新しいものには、安全性に慎重になりがちですよね。もちろん慎重になることは大事で、”ワクチンを取り入れるべきだ” という意見と ”ワクチン反対” という意見の双方が議論しあうことで、民主主義が成り立ちます。

日本だけでなく、”ワクチン接種による副作用を懸念する人たち” と、"感染症の発生や重症化を防ぐことを優先する人たち" がいるのは世界共通です。

"副作用のコストよりも感染収束のメリットの方が大きい” と判断した多くの国がワクチンの普及を優先する中、日本は副作用のコストに重点を置いているわけです。

日本のコロナワクチンの運用が遅い理由2

でもこの副作用に重点を置く傾向は、日本人の国民性だけに起因しているわけではないんですね。

コロナウイルスのワクチンの安全性を調べるために治験がおこなわれるわけですが、今のところこの治験の対象の多くが白人なんですね。アメリカなどは感染者数が日本に比べて非常に多かったこともあり、その分多くの治験のデータが取れたわけです。

世界的にみると日本は感染者数を抑えることを比較的うまくできていたため、その分ワクチンの安全性をはかるだけの治験データの収集に時間がかかっているんです。

”人種が違えばワクチンの副作用も変わってくるのではないか” という見方から、日本は海外から遅れをとってでも安全性を重視しているのですが、特例を認めたりしてワクチンの早い実用化も目指されているんですね。

ワクチンの安全性や副作用に関してはこれまで、国と製薬会社に損害賠償を求める訴訟などが起きてきたため、慎重になっている部分もあるようです。

日本のコロナワクチンの運用が遅い理由3

日本は、感染症などの希少医薬品を開発できる企業が少なく、新規医薬品の治験をおこなうための医療機関の体制が弱いんです。

この背景には、ワクチン接種対象の子どもの数が減った少子化や、上記のような訴訟が起きてきた経験が関わっているんですね。

また感染症は流行や収束の動きが速いうえに読みずらいので、余裕がある企業でないと感染症ワクチンを手掛ける余裕がないのも一因です。こうした事情から輸入ワクチンに頼る部分が大きくなって、国内でのワクチン開発に遅れが出ているのです。

日本のコロナワクチンの運用が遅い理由4

戦争などの緊急事態に対応する制度を整えている国では、ワクチンの薬事承認の制度なども緊急事態として扱うことができます。

軍のなかで感染が起きた際や、戦地で化学兵器が使用された際に対応できなければ国がやられてしまうので、時間をかけずに開発と量産ができるように治験を進めておくなど、軍事的にワクチン運用の準備に投資がされていたんですね。

ワクチンと政治

コロナウイルスによるロックダウンをいつまでもおこなっていては、国の経済に大ダメージになります。

外交を再開する時に同じワクチンを使っている国を優先することが、感染を再拡大させないために重要になってくるため、外国にワクチン提供を進めることで経済を元に戻すような取り組みをしている国もあるんですね。

 

 

参考

朝日新聞、nippon.com, 日経ビジネス東洋経済